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部長 入江 慎一郎
TEL 0948-29-8033(外来直通)

医師・スタッフ一覧

診療科の特徴

 泌尿器科は腎臓、尿管、膀胱、前立腺、尿道といった尿の通り道に生じる病気の治療を担当します。また副腎に生じる腫瘍や精巣に発生する悪性腫瘍に対する治療も行います。現在、5名のスタッフで週4回の外来(月・火・水・木)と週3回の手術(月・火・金)を分担し治療にあたっています。
 尿路結石による疼痛発作、前立腺肥大症による尿閉、精巣捻転症などの急性陰嚢症、腎後性腎不全や肉眼的血尿などの救急症例に関しては当院救命救急センターと連携の上、迅速な対応・処置を行っています。
 当院では腎や副腎に対する腹腔鏡手術を積極的に行ってきましたが、2021年5月より開始したロボット支援手術により前立腺癌・腎細胞癌患者の低侵襲治療を進めることができました。以下に代表的な泌尿器疾患に対し、当院で施行可能な治療法を列記致します。


悪性腫瘍<前立腺癌>
前立腺生検 基本1泊2日
手術 ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘除術(入院期間:10日間)
放射線治療 ・強度変調放射線治療:IMRT(治療期間:外来通院2ヶ月弱)
・定位照射:サイバーナイフ(治療期間:外来通院2週間)
*重粒子線治療は紹介状を作成し九州国際重粒子線がん治療センター(鳥栖)にご紹介致します。
薬物治療 ホルモン療法を基本に新規ホルモン剤、抗癌剤など症例に応じ使い分けます。またRa-223投与やゲノム解析の必要な方は大学病院と連携を取り、治療や検査をお願いしています。

悪性腫瘍<膀胱癌>
手術 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)を施行後、腫瘍の深達度により追加治療を検討します。膀胱全摘除術・尿路変向術は大学病院と連携し、治療を検討致します。体力的に手術が難しい、あるいは膀胱温存を希望される方は抗癌剤併用放射線治療も選択肢の一つです。
抗癌剤化学療法 ゲムシタビンとシスプラチン、またはddM-VACによる標準的化学療法の後、症例により維持療法としてバベンチオ(アベルマブ)、2次治療としてキイトルーダ(ペンブロリズマブ)、3次治療としてパドセブ投与が可能です。

悪性腫瘍<腎細胞癌>
手術 ・小さな腎腫瘍:ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術(入院期間:7~10日間)
・大きな腎腫瘍:腹腔鏡下腎摘除術または開腹手術(入院期間:10~14日間)
薬物治療 切除不能な腎細胞癌に対し各種免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬を使い分け、生活の質を落とすこと無く効果的な治療を提供します。

良性疾患
<尿路結石> 結石の大きさ・位置・数により治療法を検討します。
・体外衝撃波結石破砕術(ESWL):外来で日帰り治療
・経尿道的腎・尿管結石砕石術(TUL):手術室で麻酔下に施行(基本3泊4日)
<前立腺肥大症> ・薬物療法:α1ブロッカー、5α還元酵素阻害剤、PDE5阻害剤など
・手術:経尿道的レーザー前立腺核出術(HoLEP)または経尿道的前立腺切除術(TURP)(約1週間の入院)
<小児疾患> 夜尿症の治療、停留精巣の手術や膀胱尿管逆流のデフラックス治療などは当院で行い、高度な形成術が必要なもの(逆流防止術、腎盂形成術、尿道下裂)については専門施設との連携による治療提供体制をとっています。

 以上のように私たちは各種疾患に対し多数の治療選択肢を持って治療に取り組んでいますが、患者さんが筑豊地区一円から来院されるため外来患者数がとても多くなっているのが実情です。結果、外来待ち時間が長くなる状況が慢性化していることは改善すべき課題の一つです。その解決策としてかかりつけ医の先生方との連携を図り、可能であれば逆紹介という形で日常診療をお願いする事で診療状況を改善し、患者さんに満足いただける体制をとりたいと考えています。皆様のご協力をお願い致します。


泌尿器科News&Topics

  • 2023年4月は2名の人員交代がありました。冨永、福原医師に代わり丸田、松岡医師が着任しました。
  • 2023年1月より前立腺癌に対する放射線治療として定位照射(サイバーナイフ)を開始しました。放射線照射前に1泊2日の入院で金マーカーとSpaceOAR挿入処置が必要ですが、5回の外来通院(隔日照射で2週間)で治療が完結します。

診療実績

外来担当医師